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​相続人調査と戸籍収集

相続人調査とは、遺産分割や遺産の名義変更等各種手続きをしていく上で「相続人は誰なのか」を確認しなければならないことから、これを戸籍謄本等で調べて確定することを言います。

被相続人の出生から死亡までの全部の戸籍を取り寄せて、そこから法定相続人を調べることになります。

誰が相続人かは大抵の場合把握していると思いますが、被相続人に認知した子がいたケースや、孫や甥姪と養子縁組していたというケースなど、把握できていないこともあります。

 

金融機関等の手続きでは、相続人であることを客観的に証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の現在の戸籍の提出を求められます。したがって、相続人調査は相続手続きを進める際に、避けては通ることができません。

​この出生から死亡までの戸籍の収集が、戸籍を集めることにおいて難しいところとなります。

被相続人の方が生まれた地から移動することなく亡くなった場合は収集することにそこまで手を焼くことはありません。

しかし、亡くなるまでに市や県をまたぐ移住を何度も繰り返していた場合などは、そこの地にいた分の戸籍しか役所は保持していないため、過去に住んでいた全ての地へ請求することになります。離島などに郵送で請求する場合は、役所内部の処理期間なども含めて、請求から手元に届くまで1週間以上かかることもあります。

被相続人が帰化していた場合

①外国人登録原票の取得

外国人登録原票には、平24年7月9日の外国人登録原票外国人登録原票廃止以前に、市町村長に登録の申請をしていた下記の個人情報が記載されています。

1)氏名,(2)性別,(3)生年月日,(4)国籍,(5)職業,(6)旅券番号,(7)旅券発行年月日,(8)登録の年月日,(9)登録番号,(10)上陸許可年月日,(11)在留の資格,(12)在留期間,(13)出生地,(14)国籍の属する国における住所又は居所,(15)居住地,(16)世帯主の氏名,(17)世帯主との続柄,(18)勤務所又は事務所の名称及び所在地,(19)世帯主である場合の世帯を構成する者(世帯主との続柄,氏名,生年月日,国籍),(20)本邦にある父・母・配偶者((19)に記載されている者を除く。氏名,生年月日,国籍),(21)署名,(22)写真,(23)変更登録の内容,(24)訂正事項

登録の申請がされていない情報は記載されておりませんし,外国人登録原票の様式や登録事項は,これまで累次の改正がなされていることから,必ずこれら全ての個人情報が記載されているとは限りません。

外国人登録原票を取得し、亡くなった方の出生地を調べます。

②在日大使館、領事館にて戸籍謄本の取得

例えば、亡くなった方が日本に帰化する以前に韓国籍であった場合、上記外国人登録原票の個人情報を基に在日韓国大使館に家族関係登録簿等証明書(戸籍謄本)の取得申請を行います。
これが、日本で言う戸籍謄本になり、出生からの家族関係を証明します。

③家族関係登録簿等証明書の翻訳

家族関係登録簿等証明書は外国語での記載となっているため、日本の公的機関に提出するには、翻訳が必要となります。

請求先が役所ではなく、領事館などになることや、外国語の戸籍を翻訳する必要があることからもわかるように、非常に手間のかかる大変な作業になります。

​また、上記した方法も個別のケースによって変わるため、全ての事例に当てはまるわけではありませんので注意が必要です。

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